釜石に着いた。 大町(港方面)にあるホテルまでの道を歩いていると、 だんだんと被災している家屋をあちらこちらに目にするようになった。 ホテルは正面の入り口から入る事は出来ず、脇の階段を上がった2階にあるレストランを通り抜けて、 長机を並べただけの臨時のカウンターでチェックインを済ませた。 コンビニで買った弁当で遅い昼食。 荷物を置いて、只越町、浜町・・・津波に呑み込まれた町へ歩いて行った。 車は走っているが歩いている人はいない。 釜石港の方に歩いて行くと被害の度合いが濃くなって行った。 ほとんどの家屋が破壊されており、家の基礎だけを残して跡形の無い所も、そこここにあった。 破壊された建物には「×」のマーク。 遺体がそこにあったと言う印し。 壁が破壊され、鉄骨だけの建物もそこら中にあり、 強く吹く風が通り抜けると、ビョービョーと叫び声にも似た音が人影のない街に響いていた。 あれから、約9ヶ月の時間が流れた。 散乱していた瓦礫やヘドロ等は片付けられていた。 この街で多くの人が普通に暮らしていた。 掛け替えの無い、ありふれた日常がここにはあった。 私は街を歩き、悲しみの断片を探し、拾い集めた。 街がビョービョーと泣き叫んでいた。 12月4日・・・私は独り、風に吹かれながら釜石の街を歩き続けた。
by butuzohono311
| 2011-12-18 20:57
| 東北に仏像を・・・
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